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究極のスリムさ? アスペクト比35:10! 縦横どちら向きにも設置できる14型の細長ディスプレイを試す

2月18日(金)13時0分 ITmedia PC USER

アイティプロテックの14型モバイルディスプレイ「LCD14HCR-IPSW」。ボディーサイズは約358(幅)×125(奥行き)×20(厚さ)mmだ

究極のスリムさ? アスペクト比35:10! 縦横どちら向きにも設置できる14型の細長ディスプレイを試す

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 アイティプロテックの14型のモバイルディスプレイ「LCD14HCR-IPSW」は、アスペクト比が35:10と、一般的な16:9比率のモバイルディスプレイを横に2台並べたかのような細長い画面が特徴だ。同社では「バータイプモニター」と呼称している。 最近は、SNSなどの表示に適した細長いサブディスプレイが、マニアの間で注目を集めている。話題の発端となったのは秋葉原ラジオデパートの専門店「Shigezone」(シゲゾーン)が2020年暮れに発売した通称「ツイ廃御用達液晶」で、その後複数社が似たコンセプトの製品を発売し、現在に至っている。 プライマリーディスプレイの隣に並べれば、普段の作業領域を侵食することなく、SNS専用の表示スペースを確保できるこれら製品だが、その多くは車のルームミラー向けの液晶パネルを流用したとみられるものばかりで、サイズは8型前後、全長は20cmあるかないかだった。 ここで紹介するLCD14HCR-IPSWは、14型というサイズからも分かるように、全長が約36.5cm、幅で言うとテンキーレスのキーボードとほぼ同等だ。もちろん立てて設置することもできるが、キーボードとディスプレイの隙間に配置し、さまざまなウィジェットを配置するのにも適している。 今回はメーカーから実機を借用したので、その使い勝手について紹介しよう。●16:9を横に2画面並べたよりもさらに横長 まずは基本的な仕様をざっと押さえておこう。画面サイズは14型、解像度は3840x1100ピクセル、アスペクト比で言うと35:10ということで、ほぼ4:1、現行のディスプレイではポピュラーな16:9の液晶を2枚連結させた比率と考えればおおむね正しい。視野角は上下/左右160度、IPS方式の液晶を採用している。画面は光沢仕様とされているが、実際には外光はほぼ反射しない。 輝度は255ニト、コントラスト比は900:1、リフレッシュレートは60Hzで、応答速度は公表されていない。タッチ操作には非対応だ。スピーカー(2W×2)を2基内蔵する他、イヤフォンジャックも用意されるなど、音声出力系も充実している。 スタンドは、折りたたみ式のクイックスタンドと、デスクトップ用のスタンドの2種類が付属する。前者はモバイルユースなど一時的な設置のためのもので、デスクとの隙間がほぼゼロで設置でき、折りたためるのも利点だ。 ただし両面テープで固定する仕組みゆえあまり頑丈でない上に、ヒンジが緩く角度が変わりやすいなど、安定性はあまりない。製品ページにも「平置き設置に対応」とあるように、縦置きには使えない。これは本製品の全長が40cm弱もあり、縦置きだと荷重に耐えられないためだ。 もう1つのデスクトップ用スタンドは、シューを使って取り付ける本格的な据え置きタイプだ。カメラ用に設計されたものを流用しているとみられ、安定性は申し分なく、角度の変更も自由度が高い。また縦置き横置きもスムーズに組み替えられる。 一方でディスプレイ本体よりも幅が広く、ノートPCの側面にぴったり寄せられないなど、かさばるのがややネックだ。また、高さを調整できないという問題もある。もう1つの取り付け方であるVESAマウントも含めて、後ほどじっくり見ていく。 次に、ノートPCとの接続を見ていこう。●さまざまな映像入力に対応し付属品も充実 デバイスとの接続方法は、一般的なHDMIとUSB Type-Cに加えて、アナログRGB接続にも対応している。といっても本体側にD-Sub 15ピンが搭載されているわけではなく、microB端子の形状をしたアナログRGBに変換するケーブルが付属しており、これを使う仕組みだ。 重量は約370gと14型としては軽量だが、本製品に限ってはサイズだけで他製品と比較できるものではないだろう。ちなみに付属品は、2種類のスタンド、3種類のケーブルに加えて、USB電源アダプターも付属するなど、かなり充実している。●スリムながら3840×1100ピクセルの高解像度表示に対応 では実際に使ってみよう。本製品はボディー背面に箱型の膨らみがあり、その左側面にOSDメニュー操作用のボタン、右側面にポート類がまとまっている。一般的なモバイルディスプレイとは左右逆になっているため、ケーブルは正面から見ると右側に伸びる。 ポートはHDMI、USB Type-C、microBの3種類で、microBは前述のようにアナログRGB接続で使用する。この場合、電源はUSB Type-Cで供給することになる。HDMI接続時も同様で、つまりどの接続方法であっても、基本的にUSB Type-Cケーブルはつないだままの状態になる。 メニューについては、一般的なモバイルディスプレイと比べても項目数は多く充実している。ただしOSDメニューの項目が横方向に並んでいるのに対し、ボタン自体は縦向きに並んでいるので、直感的な操作が難しい。ボタン数が少ないこともあり、深い階層の項目を呼び出すのはかなり面倒だ。改善の余地ありと言っていいだろう。 一方、音量と画面の明るさについては、上下移動の三角ボタンを押すことで直接操作できるショートカットが用意されている。このあたりの操作性はしっかり押さえている印象だ。 続いて、本製品ならではのユニークな機能を見ていく。●PBPやPIPもサポートしトリプルディスプレイにも対応 本製品は縦置きと横置き、どちらでも使用でき、その切り替えは本製品側でも、Windows側でも行える。困りものなのが、解像度が3840×1100ピクセルと高いにもかかわらず、Windows側では最大175%までしか拡大できないことだ。 今回の試用環境に依存する問題の可能性もあるが、本来ならば300%くらいに拡大したいところで、一工夫を必要とする。ブラウザベースのコンテンツならば、ブラウザ側で文字サイズを大きくすることも検討した方がよいだろう。 本製品は画面分割モードも搭載しており、左右に2つの画面を表示(PBP:ピクチャー・バイ・ピクチャー)したり、1つの画面をもう1つの画面にオーバーレイで表示(PIP:ピクチャー・イン・ピクチャー)したりできる。 前者については、細長い画面ではフィットしない画面を、一般的なアスペクト比に近い比率で表示したい場合に便利だ。片方の画面は消灯させておくこともできる。 この画面分割モードでは、2つの映像ソースからの入力が必要になる。つまりHDMI、USB Type-C、アナログRGBという3つの入力端子のうち2つから受け取った映像信号を、分割した2つの画面に表示するわけだ。1台のノートPCとUSB Type-CおよびHDMIの2系統で接続し、トリプルディスプレイ環境を構築することも可能だ。●縦横どちらの設置にも対応 どんな用途に使える? 本製品の特徴である設置方法について、実際の設置例を踏まえながらもう少し詳しく見ていこう。 本製品は縦向きの場合はプライマリーのディスプレイの隣に、横置きの場合はディスプレイとキーボードの間に置くのが、基本的なパターンということになるだろう。 一般的なモバイルディスプレイは、デスクの面積が狭いと、設置場所を用意するだけで一苦労だが、本製品はデスクトップPCのディスプレイとキーボードの隙間に設置できるので、手軽に表示領域を広げられる。●75mmのVESAマウント穴も用意 縦向きで使う際に気をつけたいのが、付属の2種類のスタンドはいずれも高さ調整に対応しないことだ。縦向きにした本製品の高さを隣のプライマリーディスプレイとそろえたい場合、プライマリー側で調整するか、あるいは本製品の下に適切な厚みのあるモノを敷き、底上げしてやる必要がある。これが意外と手間だ。 スマホやタブレット用のアームを使い、宙に浮かせるという方法もあるが、本製品は背面が大きく出っ張った形状ゆえ、クリップ式で本体を挟み込む方式のアームとはいまいち相性がよろしくない。せっかくならば高さ調整が可能なスタンドを付属してほしかったところだ。 なお本製品は、背面のVESAマウントを用い、ディスプレイアームに取り付けることもできる。一般的な100mmではなく75mmのマウントであることに気をつける必要はあるが、据え置きで使うのであれば、この方法が最も収まりがよいかもしれない。●アイデア次第で無限大の可能性を持つ製品 以上のように、アスペクト比こそかなりのキワモノだが、サブディスプレイとしての完成度は高い。この手の製品では、水平方向と垂直方向で視野角が異なっており、横向きだったのを縦にすると途端に見づらくなるケースもあるが、本製品はそうしたこともない。 ただし気をつけたいのは、一般的なモバイルディスプレイが作業スペースそのものを広げることを目的としているのに対して、本製品は邪魔になるウィンドウを退避させてメインディスプレイでの作業の効率を上げることが目的であるなど、似た製品でありながらコンセプトが全く違うことだ。 そのため、一般的なモバイルディスプレイを探している人が本製品を見つけて「これは面白そう」と思って購入しても、当初の目的を果たせない可能性はある。このことはしっかり認識しておくべきだろう。 とはいえ、このスリムさゆえ既存のモバイルディスプレイにはないさまざまな設置方法が可能で、アイデア次第で無限大の可能性を持つ製品であることは間違いない。そうした用途で使うに当たって、解像度を始めとした基本スペックがしっかりしており、不安要素がないことは評価できる。 実売価格は税込み2万6800円前後と、一般的なモバイルディスプレイと比べて大きな差はなく、12カ月間メーカー保証も付属しているのもよい。ピンと来た人は、ぜひ実機を手に入れてあれやこれやと工夫してみてほしい。

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