イヤフォン → Engadget Logo エンガジェット日本版 通話品質にも力を入れて開発――3本柱で開発をすすめるJabra Eliteシリーズ発表会

Engadget Logo エンガジェット日本版 通話品質にも力を入れて開発――3本柱で開発をすすめるJabra Eliteシリーズ発表会

ビジネスやプライベートで活躍するヘッドセットJabra(ジャブラ)ブランドを展開するGN オーディオジャパンが完全ワイヤレスイヤホン「Elite」シリーズの新製品を発表しました。

「Jabra Elite」というと、庶民の筆者には「ちょっとお高くて手が出せない」価格帯ですが、今回発表されている3機種は、エントリーモデルからプロユース仕様までそろっているので、自分のレベルに合わせて試せそうです。

性能に妥協なしのエントリーモデル「Jabra Elite 3」

Jabra Elite 3(以下、Elite 3)は、アクティブノイズキャンセリング機能こそ搭載していませんが、雑音を遮断する構造により、音に集中できる完全ワイヤレスイヤホンです。

片側4.6gと軽量ですが、6mmのドライバーユニット(スピーカー)を搭載。音楽再生モードでの周波数帯は20Hz〜20KHzで、専用の「Sound +」アプリと組み合わせることで、パンチの効いた低音や、自分好みの音を作ることができます。

Amazon Prime Music(HD)で試してみたところ、製品紹介ページにあるとおり、迫力のあるパンチの効いた低音が確認できました。

その反面、高音は「普通」というイメージ。つまり、強調されていないフラットな音を再生しています。いわゆるシャカシャカ音が強くないため、少しくらいボリュームを上げていても、聴覚を損傷する恐れはないのでは? と感じました。

ノイズキャンセリングに関してはパッシブのため、どれだけ耳の穴の大きさに合ったイヤージェルを選ぶかによって効果に違いが出てきます。筆者は耳の中が押される感覚を不快に感じるので、普段はSサイズを選ぶのですが、どうやらぴったり合っていなかったようで、雑音が入ってしまいました。デフォルトでつけられていたMサイズに戻したところ、扇風機の「サーッ」という音や、近くの道路を通る自動車の音などがほとんど聞こえなくなりました。

「パッシブなのに優秀!」と感じたのはいうまでもありません。

外部の音を聞きたいときには左に装着したElite 3のボタンを短押しして「ヒアスルー」をオンにします。「ポヨーン」という少し高めの音が再生され、周囲の音が聞こえるようになります。

ノイズキャンセリングに戻すときにも同じ操作を。すると今度は少し低めの「ポーン」という音がして、雑音が聞こえなくなります。

ヒアスルーモードの搭載と物理的に周囲の音を遮断する機構による音漏れのなさから、公共交通機関の利用時、また買い物のための外出などにも使いやすい、コスパに優れたイヤホンだと感じました。

激しく動いても外れないリキッドシリコンラバーコーティングされた「Jabra Elite 7 Active」

Jabra Elite 7 Active(以下、Elite 7 Active)は、ワークアウトでも高品質な音楽を楽しみたい、それでいて通話品質も保ちたいという人へ向けて開発されました。

特筆すべきは、激しく動いても耳から落ちない安定したフィット感を生み出す「シェークグリップ」機能です。これは、補聴器も作るJabraが6万2000人の耳スキャンデータをもとに、イヤホンの形を再設計したことに加え、イヤージェルを柔らかく滑りづらい素材のリキッドシリコンラバーでコーティング加工したことによります。

リキッドシリコンラバーコーティングは、耳にフィットするため、耳栓のように遮音性を高めますし、そもそもIP57という高い防水防塵性能を持つ本体内部に汗や水、ホコリが入ることを防ぎます。

ワークアウトでの利用を想定したElite 7 Activeは、専用アプリ「Jabra Sound+」に登録することで、汗による故障も2年間保証してくれます。

片耳の重さは5.4g。Elite 3と同様、6mmのスピーカーを搭載しています。マイクは4カ所あり、Jabraの4-マイクテクノロジーによるクリアな通話品質とアクティブノイズキャンセリング機能を実現。SAATI Acoustexメッシュでマイクをカバーしているため風切り音を防いで、相手に自分の声を確実に届けることも可能です。

コンパクトな上、ウィングフリーデザインとなっているため、余分な出っ張りがなく、装着した状態でもマスクの脱着や、髪の毛を結わえる際に「引っかかってじゃま」というストレスを感じさせません。

また、これだけ小さいのにイヤホン単体で最長8時間、充電台でもあるケースのバッテリーも含めれば最長30時間音楽を再生可能なのも魅力。5分間ケースに入れることで、最長1時間使える急速充電にも対応しているため、オンライン会議続きでも、安心して使えます。

ケースへの充電はUSB Type-Cケーブルで行います。また、無接点充電のQi規格にも対応しているので、Qi充電台にケースをポンと置いておくだけという気軽さも便利でしょう。

Amazon Prime Music(HD)で音質をテストしました。Elite 3ほどではないにしても、低音に迫力があるのが特徴的。そのほかの音域はフラットな印象ですが、Jabra Sound+アプリのイコライザーで調整できるので、自分好みの音にしたいところです。

リキッドシリコンラバーコーティングされているイヤージェルは、ほかの機種のものに比べてザラリとした印象。これなら耳から落ちにくそうです。実際、頭を縦横に激しく振ってみましたが、落ちる気配はありませんでした。もっとも、Elite 3もElite 7 Proも、かなり耳にフィットしているため落ちそうにないのですが。

空気ではなく顎の骨を伝わる音声を捉えて相手に伝える「Jabra Elite 7 Pro」

Jabra Elite 7 Pro(以下、Elite 7 Pro)は、高品質な音楽を楽しみたいし、ビジネス用途でも妥協しない通話品質を保ちたい、という人にぴったりな完全ワイヤレスイヤホンです。

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4つの高機能マイクを搭載しており、これがアクティブノイズキャンセリングや自分の声をクリアに伝えることを可能にしています。

Elite 7 Proの新機能として「Jabra マルチセンサーボイス」があります。これは、Jabra独自のアルゴリズムにより風切り音を検知すると骨伝導センサーを自動的に起動し、顎の骨の振動から伝達される声を相手に伝えられるため、ストレスレスな通話ができるようになるというものです。

イヤホン本体の片側の重さは5.4gと軽量コンパクトですが、6mmのカスタムスピーカーを搭載。音の歪みを取り除くため、内部コンポーネントを緻密に配置し、豊かで迫力のあるサウンドを実現させたとのことです。

音楽再生モードでの周波数帯は20Hz〜20KHz。対応コーデックはAACとSBC。専用アプリ「Jabra Sound+」で、自分好みの音質に変えられます。

Elite 7 Active同様、6万2000人の耳スキャンデータを活用して、より耳にフィットするよう形を再設計。前モデルに比べ16%もコンパクトになったこともあり、快適な装着感を得られます。

また、コンパクトなのにイヤホン単体で最長8時間、充電台でもあるケースのバッテリーも含めれば最長30時間音楽を再生できるというのも○。毎日通勤で使っていても、ケースを充電するのは2週に1度程度で済みそうです。5分間ケースに入れることで、最長1時間使える急速充電にも対応しているため、テレワークで会議、会議、また会議、という状況にも安心して使えます。

ケースへの充電はUSB Type-Cケーブルで行います。また、無接点充電のQi規格にも対応しているので、Qi充電台にケースをポンと置いておくだけという気軽さも便利でしょう。

Elite 7 Active同様、IP57相当の防水防塵性能を持っているため、汚れたら流水で洗え、常に清潔さを保てます。

Androidスマートフォンに保存しているハイレゾ音源で試したところ(音源はハイレゾでも、コーデックが対応していないので無意味ですが)、伸びやかなボーカルと、深みのある音を感じることができました。

Amazon Prime Music(HD)では、Elite 3ほどの低音ではありませんでしたが、全体的にバランスが良く、奥行きが深く、さらにボーカルの息遣いまで聞こえてきそうな音質の高さを実感できました。

ヒアスルーのオンオフは、左側のボタンの短押しで。「ヒアスルー」「オフ」という音声のおかげで、Elite 3より今がどういう状態なのかがわかりやすくなっています。

アクティブノイズキャンセリングが効いているときは、周囲の雑音がかなり抑えられます。Bose QuietComfortシリーズほどの静寂性はなくとも、室内で「中」レベルで稼働している扇風機の音や家のすぐそばにある道路を走る車の音などはほぼカット。仕事に集中したいときにも耳栓代わりに使えそうです。

気になるJabra マルチセンサーボイスの実力もテストしました。残念ながら、試用中に強風が吹き荒れる天気が訪れなかったので、室内で扇風機を使用。Elite 7 Activeと比べてみたところ、風切り音がかなり抑えられていることがわかりました。

Jabra Sound+アプリで自分好みの音へカスタマイズ

文中にたびたび登場しているJabra Sound+は、Jabra製品を自分好みにカスタマイズするのに欠かせないスマホアプリです。

機種によってメニューが異なり、Elite 7 ProとElite 7 Activeでは、イコライザーを使って音質をカスタマイズ可能。また識別しやすくするための名前をヘッドセットにつける、イヤージェルのサイズが合っているか、正しく装着されているかを確認できる「MyFit」、アクティブノイズキャンセリングの追加、聴力の簡易テストにより再生される音質を自分に合わせられるMySound、今まで使っていた完全ワイヤレスイヤホンの操作に近づけられるMyControls、AlexaまたはGoogleアシスタントを選択できる音声アシスタントの設定をSound+で行えます。

さらに、「接続されました」「ヒアスルー」などの音声ガイドの言語もJabra Sound+アプリで設定できます。設定にはファームウェアアップデートが必要で、15分ほどかかるため、時間のあるときにやっておきたいものです。

Elite 3では、上で触れた各種カスタマイズはできませんが、音声アシスタントの代わりにSpotifyを選べます。またイコライザーはないものの、「ニュートラル」「音声」「低音ブースト」「トレブルブースト」「スムーズ」「エネルギー」などプリセットを使えます。ビートの効いた曲を再生しているときに「低音ブースト」を設定すると、ゾクゾクするほど迫力のある低音を楽しめます。

音楽以外のニーズが増えてきた完全ワイヤレスイヤホン市場

Elite 7 Proの発売を前日に控えた10月13日に開催された発表会では、GNオーディオジャパン リテール&オンライン営業部 セールスディレクター 森崇弘氏が登壇し、イヤホン市場を取り巻く環境の変化について解説しました。

数年前までは珍しかった完全ワイヤレスイヤホンも、米国81%、欧州74%、アジア太平洋地域で78%と、今ではほぼ当たり前の存在となってきています。

そのような中、完全ワイヤレスイヤホンEliteシリーズユーザーの64%がActiveタイプの製品を愛用。さらに昨今ではリモートワークが増え音声通話のニーズも高まっているとのこと。

そこで、多目的に使われるマス市場向け(Elite)、ワークアウトなど屋外利用を想定したActive向け(Elite Active)、仕事に使え音質にも妥協しないPro向け(Elite Pro)の3本柱をJabraでは設定。これに沿って製品開発をしていきたい、と森氏は今後の展開を語っていました。

なお、Elite 3は9月16日から販売しており、10月7日にはライラックとライトベージュのカラバリも販売が始まりました。参考価格は9900円(税込。以下同)。Elite 7 Proは10月14日に発売で、カラーはチタニウムブラックとゴールドベージュ、参考価格は2万7280円。Elite 7 Activeは10月28日に予約開始、11月11日発売で、カラーはネイビー、ミント、ブラック、参考価格は2万3980円となっています。

Jabra(Amazon)

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