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UB9000超えのディーガ最高峰「ZR1」に迫る。AV愛好家マストアイテム!?

全ては「UB9000を超えるため」。アナログ出力撤廃、電源・回路見直し

ZR1は、2015年に発売された世界初のUHD BD再生対応BDレコーダー「DMR-UBZ1」と、2018年に発売されたUHD BDプレーヤー「DP-UB9000」の系譜を継ぐ、ディーガのプレミアムモデルだ。プレミアムクラスのBDレコーダーはUBZ1以来、6年振りの発売となる。

ZR1を開発したのは、歴代のBDレコーダーや上述のUBZ1、UB9000なども手掛けたディーガチーム。「最高の4Kプレーヤーを作る」というスローガンを掲げ、UB9000を生み出したメンバーが、今度は「決定版の4Kレコーダー、究極の4K録再機」を目標に、足かけ3年をかけて完成させた。

DMR-UBZ1DP-UB9000DMR-ZR1

長年ディーガのハイエンドモデル等の開発に携わってきた甲野氏は、「放送やパッケージ、VODなど、4Kコンテンツが充実してきており、映画館を超えるAV体験が、家庭で楽しめる環境が整いつつある。そのような中で求められるのは、全ての4Kコンテンツを最高のクオリティで扱える製品。2006年から続く、ブルーレイディーガ15年の技術蓄積と、高級DVDプレーヤー、UniPhier、ハリウッド連携、Technics連携で培ったDNAを活かすことで、UB9000の再生性能を大きく超える4K録再機を目指した」と開発の狙いを語る。

なお、8Kチューナーを搭載しなかった事について、甲野氏は「我々の技術資産を最大限に活かすことが出来るのは、現状はまだ4K。例えば、8K放送のストリームをデコードしようとしても、今のディーガで使っているチップではそれができない。8Kを扱うには、これまでとは異なる技術・ノウハウが必要になる。対する4Kは現在成熟しつつあり、『我々が持ちうる技術をフルに投入した最高の製品を、一度は作っておきたい。やるなら今だし、今しかない』と考えた」と話す。

ZR1を開発するにあたり、掲げた設計コンセプトは3つ。

中でも、“UB9000を超える基本画質/音質”が最大の課題だったという。

「オールインワンの4K録再機が出来たとしても、“クオリティがUB9000に敵わないモデル”では作る意味がない。その一方で我々は、UB9000の開発でデジタルAV信号処理でのクオリティアップはほぼ完成の域にあるという自負もあった。そのため、UB9000の再生品位を超えるには、信号処理だけではない、別のアプローチが必要だった」(甲野氏)。

そこでディーガチームが取り組んだのが、電源、電気回路、筐体の抜本的な見直しという“アナログ的アプローチ”。UB9000を超えるために、音声DACを含むアナログオーディオ基板やアナログ専用電源を排除し、その物量をデジタル/ドライブ電源に集中投下しつつ、各回路を徹底的にブラッシュアップする方法が採られた。

では具体的に、ZR1で採用された高画質・高音質設計とはどのようなものか。

UB9000超えのディーガ最高峰「ZR1」に迫る。AV愛好家マストアイテム!?

まず筐体は、2018年発売のUB9000の構造とベースシャーシを継承。

底部を支えるシャーシは、1.2mm厚鋼板インナーシャーシに1.6mm厚×3層の鋼板を積層した計4層6mm厚、重さ5.6kgという重量級ベースシャーシを使用。ハイカーボン鋳鉄インシュレーターと併せて筐体の大幅な低重心化を実現し、不要な振動を低減した。

ZR1の内部構造7mm厚のフロントパネル

フロントパネルには7mm厚のアルミ押し出し材をベースに切削加工を施した専用部材を投入。サイドパネルにも3mm厚のアルミ押し出し材を採用し、前と横からベースシャーシに固定させることで、筐体の剛性を強化。トップパネルにも板厚の異なる2層鋼板を組み付けることで、制振性を向上させた。

大きな振動源になるUHD BDドライブに関しては、3層5.2mm厚の鋼板を使ったドライブベースにマウント。加えてドライブ全体を深絞り鋼板の高剛性シェルターで覆うことで、ディスク回転時の不要な振動と騒音を抑制。さらにドライブを筐体中央に配置し、ドライブベースと一体構成された2本のフレームを、前述のフロントパネルとリアパネルに締結することで剛性を強化した。

UHD BDドライブと3層構造のベースHDDと2層構造のベース

UHD BDドライブ同様、HDDにも専用ドライブベースを新開発。厚さが異なる2種類の鋼板(3.2mm厚+0.8mm厚)を貼り合わせ、専用ドライブベースにHDDを直付け・固定することで回転による振動を大幅に低減。内蔵するHDDは全数検査済で、低回転タイプのものを選別しているという。

UB9000の内部構造ZR1の内部構造

音質設計を担当した宮本氏によれば、基本音質・画質を底上げするキモになったのが“独立電源”だったとのこと。

「UB9000の電源はアナログ専用電源とデジタル/ドライブ兼用電源という構成だった。ZR1はアナログ専用電源を排除し、デジタル専用とドライブ専用に分離。これにより、各々に最適かつ強力な電源供給、そして光ディスクやHDDからデジタル系へのノイズ低減に繋がった」のだという。甲野氏も「まず最初に着手したのが、独立電源だった。電源を見直しが非常に重要で、画音の向上を見て、UB9000を超える手応えを掴んだ」と話す。

デジタル・ドライブ独立電源

UB9000では面積の1/3が占められていた回路基板も、ZR1では余剰分の回路資源をデジタル系に集中投下。

システムクロック用には、超低位相ノイズ水晶発振器とその性能を活かすためのローカルレギュレーターおよび高周波特性の良いチップフィルムコンデンサー(一般的にはDAコンバーター周りに使われるグレードのもの)を採用。AVクロック用に対しても、超低ジッターPLLとローカルレギュレーターおよびチップフィルムコンデンサーを採用することで、徹底した低クロックジッター設計を図った。

UB9000比で約15dBもの改善効果が得られた超低位相ノイズ水晶発振器は、高性能ゆえに、軍事転用扱いのパーツで輸出規制があるものだそうだが、「クオリティ向上のために、無理を言って採用した」(宮本氏)という。

高精度クロック回路

ルビーマイカコンデンサーと非磁性の炭素被膜抵抗による「USBパワーコンディショナー回路」は、UB9000のUSBフロントに加え、ZR1では、USBリアと2系統のHDMI電源回路にも投入することで、ノイズ対策を徹底。またHDMI出力回路周辺にも、高周波ノイズを低減用のチップフィルムコンデンサーとチップビーズを追加する事で、ディスプレイ機器からの回り込みノイズを抑えている。

USBパワーコンディショナー回路HDMI出力回路

ネット動画のクオリティアップを目的に、LAN端子部もブラッシュアップ。UB9000などの従来モデルでは、ギガビットイーサネット用ICに含まれる発振回路を使っていたが、ZR1では外付けの超低ジッター水晶発振器を搭載し、そこに低ノイズ電源を供給するためのローカルレギュレータ、チップフィルムコンデンサーを採用した。

LAN端子

さらに、同軸デジタル音声出力回路には、Technics高級モデル(SU-R1)と同等の出力トランス、真鍮削り出しの端子を採用。高周波ノイズが回り込むシャーシGNDから分離させることで出力性能を強化させている。

甲野氏は、「こうした電源や回路等の見直しは主に、音質の改善を中心としたものだが、結果的には基本画質の改善にも大きく寄与した」と振り返る。

同軸出力回路電源やデジタル回路で使われている各種高音質パーツ
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