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ニュース 『グランツーリスモ7』は何年遊んでも飽きない作りになっている―山内一典Pが語る”最高傑作”にかけた思い

(写真:インサイド)

ニュース 『グランツーリスモ7』は何年遊んでも飽きない作りになっている―山内一典Pが語る”最高傑作”にかけた思い

ナンバリングタイトルとしては、前作のグランツーリスモ6から約9年ぶりとなる『グランツーリスモ7(以下「GT7」)』。2022年3月4日の発売を目前に控えて、シリーズプロデューサーである山内一典氏にGT7の魅力を伺いました。【画像】もっと大切なのは、人とクルマの“話をする”ということ―新要素の「グランツーリスモカフェ」クルマの魅力をたくさんの人に伝えたい――まずは、山内さんが『GT7』に込めた思いをお聞かせください。山内:おかげさまでグランツーリスモは、今年で25周年を迎えました。しかし、この25年でクルマを取り巻く社会や環境は、大きく変化しています。当初のグランツーリスモ制作時のような豊かな自動車文化を、近年では体感することが難しくなっています。それを受けて、『工業製品の中でも、もっとも美しく魅力的なこのクルマの文化を新しい世代に伝えていく必要がある』、そう強く感じました。そんな責任感を持って作り上げたのが、このGT7です。――「若い世代のクルマ離れ」という言葉もよく聞くようになりました。そのような人たちにもクルマの世界に興味を持ってもらえる作品を作ったということでしょうか。山内:そうですね、長年グランツーリスモを作ってきて、自動車産業に関わる人たちにもたくさん会ってきました。その方々の思いもゲームを通じて伝えたいと思いましたし、多くの人に自動車の歴史や文化について興味を持ってもらえたらと考えたんです。特に今回、その役割を果たしているのが『グランツーリスモカフェ』ではないかと思います。――『グランツーリスモカフェ』とは、ゲーム内でどのようなポジションにあたるものなのでしょう。山内:GT7の世界はとにかく広大です。1年経っても新しい遊びに気づいたり、何年遊んでも飽きないような作りになっています。ただ、その世界があまりに巨大で複雑なので、『カフェ』は、GT7の世界のシステムを理解するための道しるべとして機能させるようにしました。『カフェ』で渡されるメニューブック(クエスト)をこなしていくことで、次の目標が示され、最終的にはGT7の世界で何ができるのかを自然に理解できるようになるんです。山内:もうひとつ、『カフェ』には重要な機能があります。たとえば、プレイヤーがコレクションしたクルマについて、カフェのマスターから解説を聞くことができたり、さらにはそのクルマをデザインしたデザイナーやエンジニアが『カフェ』に現れ、そのクルマの思い出などを語ってくれたりもします。以前のグランツーリスモでもクルマの解説を“読む”ことはできたのですが、もっと大切なのは、人とクルマの“話をする”ということなのではないかと。自動車と人間社会は常に密接な関係にありますし、GT7では『人』という要素をとても大切にしています。GT7をよりリアリティ溢れる世界へ――多種多様な人がグランツーリスモにのめり込むひとつの要因として、リアルなグランツーリスモの世界への没入感が挙げられると思います。GT7になってよりそのリアリティが高まっていますよね。山内:そうですね、没入感というのは、どれだけその世界をリアルに感じられるかということだと思います。GT7では、PS5の機能を活かして、レイトレーシングなど技術によってグラフィックのクオリティを高めたり、立体的なサウンドを実現する3Dオーディオ技術も使っています。さらにPS5のコントローラー『デュアルセンス』の緻密な振動を活用するなど、小さな積み上げがさらなる没入感につながっていると思います。――以前から、実車のエンジン音や排気音なども直接収録されていますよね。今回、クルマが400車種以上用意されているということでしたが、そのサウンドも全て録音したのでしょうか……?山内:はい、そうです。北アメリカとドイツ、イギリスにサウンドレコーディングスタジオがあって、GTスポーツの頃からそこで収録しています。無響室の中に、ハブ(車軸)に直結させるシャシーダイナモがあって、そこでクルマを稼働させながらレコーディングをしています。クルマを運び込んだりすることを考えると、相当手間のかかる作業ですね。――それだけの手間をかけるからこそ、リアリティも高まるのですね。さらに、GT7では、天候変化なども緻密なシミュレーションをしていると伺いました。山内:GT7内の天候は、海水や地表の水があたためられて蒸発し、上空の空気で冷やされて雲になる……そんな実際の天候変化そのものをシミュレーションして再現しています。ただ、どのコースでも、晴れから曇りまでは変化しますが、雨が降るコースは限定的です。同様に、朝から夜までの時間変化はどのコースでも可能ですが、夜から朝まで変化するのは、24時間レースが行われるサルトサーキット(ルマン)やニュルブルクリンクなどに限られますね。山内:今回の天候変化の大きなチャレンジは、単なる見かけだけの変化だけではなく、レース中の環境にも影響をもたらすようにしたことです。気温や路面温度が変化したり、コースが雨で濡れたりするので、タイヤのグリップ感が変わったり、エンジンパワーやスリップストリームにも影響します。山内:実は、星空にもこだわっているので、そちらも是非見ていただきたいですね。夜空のデータは、基本的にNASAが公開しているデータを使っていて、太陽や惑星、月の位置をシミュレーションしています。夜のレース時には、1等星などの明るい星しか見えないかもしれませんが、フォトモードでシャッタースピードを遅くすれば、天の川も見えますよ。音楽と共にGT7の世界を楽しむ――その他に、GT7に追加された新しい見どころなどはありますか?山内:グランツーリスモでは、これまで音楽の要素を大切にしてきました。GT7では『これまでと違った形で音楽をゲーム内にインテグレートできないかな』という思いがあって。会社のサウンドルームに毎日スタッフと集まって、ピアノや楽器を演奏しながらたくさん意見を交わしました。その中で出てきたアイディアが、今回の新要素である『ミュージックリプレイ』や『ミュージックラリー』です。これらが生まれるまで、実に5年ほどかかりましたね。――『ミュージックラリー』は、「速く走るのが目的ではない」とおっしゃっていましたが、具体的にはどんなゲームなのでしょうか?山内:『ミュージックラリー』の目的は、ドライブをしながら音楽そのものを楽しんでもらうことです。そして、これまでレースゲームを一切やったことがないような人やお子さんでも楽しめるものを作りたかったんです。山内:『ミュージックラリー』では、最初に“ビート”を持ってスタートし、途中のエクステンドゲートをくぐると“ビート”が加算されていき、曲を最後まで聴くことができたらクリアとなります。秒数ではなく、“ビート”が加算されていくのがポイントですね。bpm(テンポ)が速い曲だと“ビート”の消費が早く、遅い曲だと消費も遅くなります。上手な人であれば、“ビート”が余ることもあると思うので、たとえばドリフトしてみたり、ドーナツターンを決めてみるのも面白いかもしれません。クリア後は、それが『ミュージックリプレイ』で再生されるので、そういった楽しみ方もできると思います。GT7はシリーズの頂点に立つゲーム――最後に、25周年を迎えるグランツーリスモへの思いを聞かせてください。山内:最初のグランツーリスモは、極めて実験的なものだったんです。なので、ここまでポピュラーなタイトルになるとは思ってもみませんでした。グランツーリスモのスタッフも、当初は15人でしたが、今は300人近くになりました。人数が増えても、同じ思いを持ったファミリーで作り続けられているという実感があります。ファンの方々やグランツーリスモに関わる全ての方のサポートのおかげで、25年間このような環境で作り続けることができたことに心から感謝しています。山内:GT7は、25周年にふさわしく、歴代のグランツーリスモの頂点に立つ作品になりました。これまで自動車に興味がなかった人にも、そして、もちろんコアなファンの方々にとっても、心から楽しんでいただける作品になっていると思います。ぜひGT7のリアリティ溢れるカーライフを体験してください。

インサイド 伊藤 梓

最終更新:インサイド
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