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【本日発売】「ELDEN RING」50時間プレイレビュー! 高難度と快適さが両立した傑作ダークファンタジー

2022年2月25日(金)に、フロム・ソフトウェアが手がけるオープンワールドのアクションRPG「エルデンリング」が発売される。2019年にゲーム・オブ・ザ・イヤーを受賞した「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE」以来、3年ぶりの最新作だ。今回は、そんな「エルデンリング」に発売前に触れる機会を得たので、本作を50時間ほど遊んだ(未クリア)うえでのレビューをお届けしよう。なお、物語的なネタバレはないが、システム的な要素は一部説明しているので、そこは承知のうえで読んでほしい。

ほころんだ世界のため、プレイヤーはエルデの王を目指す

強大な力「大ルーン」を手にした「デミゴッド」たちは、その力に溺れて「破砕戦争」と呼ばれる大きな戦いを引き起こしてしまう。荒れ果ててしまった「狭間の地」で、プレイヤーは「褪(あ)せ人」としてエルデの王となるための旅に出ることに。物語は、褪せ人が狭間の地のどこかで目を覚ますところから始まる。

プレイヤーキャラクターの容姿は自由にカスタマイズできる

本作の重要な要素である破砕戦争は、物語が始まった時点ではすでに終結している。狭間の地とは、いわば巨大な古戦場のようなもので、崩壊した城や街、死体が積み上がる戦場が各地に存在する。「エルデンリング」の物語は、ほのめかす程度にとどめられているため、ストーリーを深く理解するなら、主人公が置かれている環境や、人の話をもとにした考察が重要だ。

考察をするうえで、装備やアイテムに書かれたテキストは貴重な情報源となる。「ダークソウル」や「ブラッドボーン」などでテキストを手がけてきた宮崎英高さん(フロム・ソフトウェア代表取締役会長)が本作でも執筆を担当しており、彼の手による重厚なテキストは健在だ。

難解な単語で気取るわけでなく、簡潔な言葉を使った文章全体で世界観を表していく。文字ではなく、文字で書かれたことに人は感動するのであって、そうした良文・名文の作法を、宮崎さんはきっちり守り実践している。その力量は、物書きとしてうらやましい。製品版を遊ぶ際は、物語の資料としてはもちろん、文章力の高さにも注目だ。

「ふんわりいこうよ」とは、「フロムゲー」にはあまりなかった、ちょっとかわいい表現

考察が重要とは言ったが、「エルデンリング」の物語は「ダークソウル」や「ブラッドボーン」より少しわかりやすい。「祝福」というチェックポイントのような場所では、メリナという女性が各地に関わる話をしてくれるし、各地にいる白いキャラクターに話しかけると、現地の話を聞ける。万人向けとは言いがたいが、それでもフロム・ソフトウェアの過去作と比べると、表現が少し直接的になっているのは間違いない。

ちなみに、本作は完全新作であり、「ダークソウル」をはじめとするフロム・ソフトウェアの過去作からは独立している。そのため、俗に言う「フロムゲー」を本作から始める人でも、予備知識が求められることはないので安心してほしい。

50時間でも足りない濃密なオープンワールド

本作はオープンワールドということもあり、探索できる世界の広さはすさまじい。プレイヤーが最初に目覚めた場所からすぐ北には巨大な城がそびえているいっぽうで、南には広大な半島がある。オープンワールドだからどう進めてもいいだろうと、筆者は最初のダンジョンから出て真っ先に南に行ったが、あらかた探索し終えるまで10時間以上かかった。

狭間の地の各地には廃墟や塔といったダンジョンがあって、さらにそれぞれにボスも用意されている。場所によっては、ダンジョンではなくフィールドでボスと遭遇することも。ほかにも、人々からの依頼が発生したり、草原や木々には「アイテム製作」に必要な素材があったりと、やることがたっぷりある。

オープンワールドと言うと、ゲームのボリュームよりは世界の広さが際立つが、本作は広くて深い。上記に書いたダンジョンは数十個近くあるし、狭間の地に生きる人々が関わるサイドストーリーみたいなものもある。筆者は10時間を南の半島に費やしたわけだが、狭間の地の中での半島は、面積で言えば全体の5分の1にも満たない。

メニュー画面の「アイテム製作」から、素材を使っていつでもアイテムを作ることができる

破砕戦争を経た狭間の地は、あちこちが歪み、崩れかけていて、いわば終わろうとしている世界だ。当然、そこには繁華街も民衆も残っていない。代わりに、ダンジョンをはじめとするゲームプレイに関わる要素が徹底して詰め込まれている。シンプルな作風が売りのフロム・ソフトウェアだからこそできた技だろう。本作は、一本道タイプのゲームの密度を、ほとんどそのままオープンワールドに落とし込んでいると言ってもいい。それくらいの濃さがある。

いっぽう、オープンワールドのボリュームだけでなく、利便性についても配慮されている。狭間の地には「祝福」という拠点のようなものが数多く置かれていて、ここでは回復アイテムである「聖杯瓶」の自動補充や、「ルーン」を用いた各種パラメーターの強化(レべル上げ)などが可能。祝福間での瞬間移動も可能で、いわゆる「ファストトラベル」機能も実装されている。

さらに、祝福に触れれば、一度採取した素材はすぐに復活するため、アイテム製作のための素材収集もやりやすい。素材の群生地などを覚えておき、そのルートを巡った後は祝福に触れてまた採取へ、ということも可能だ。敵に発見されていなければプレイヤーのスタミナは一切消費しないため、探索も素材収集も好きなだけできる。ただし、祝福に触れると、素材だけでなく敵も復活するので、うっかりやられないよう注意はしておきたい。

敵に倒されると、それまで持っていたルーンをその場に落としてしまう。回収する前に死んだ場合、以前のルーンはすべて消えてしまう

祝福間でのファストトラベル以外にも、トレントという馬に乗って移動する手段もオススメだ。トレントは「霊馬の指笛」を使うといつでも呼ぶことができ、騎乗して速く動ける。徒歩では届かない場所も2段ジャンプで行けるほか、乗ったままプレイヤーが戦うことも可能。攻撃してはその場を離れる、一撃離脱戦法などもやりやすい。

ただし、体力がゼロになったトレントは消えてしまううえ、プレイヤーは落馬してしまう。落馬からしばらく、プレイヤーは仰向けのまま無防備となる。復帰には時間がかかるので、そのあいだに敵に攻撃されたらひとたまりもない。落馬=死と考えたほうがいいだろう。

【本日発売】「ELDEN RING」50時間プレイレビュー! 高難度と快適さが両立した傑作ダークファンタジー

トレントは便利だが、プレイヤーと同じく、ある程度の高さから飛び降りると即死してしまう。2段ジャンプで勢いを殺しても即死の判定は消せないようで、調子に乗って走り回っていると死にかねない。死ぬ高さを覚えておくのが一番だが、不安ならアイテムの「虹色石」を使うのがオススメ。即死する高低差なら、石が砕けて教えてくれる。

霊体とガードカウンターがお手軽なバトルシステム

本作では、プレイヤーは右手と左手にそれぞれ最大3種ずつの武器を装備して戦う。短剣や大剣といった武器から、中盾をはじめとする防御タイプまで、さまざまな種類がある。

剣と盾を持ち、攻撃と防御を使い分けるのもいい。大剣や特大剣を担いで振り回してもいいし、魔法や弓で遠くから狙い撃つという方法もある。各種武器には装備するために一定のパラメーターが求められるが、少なくとも剣や槍といった物理系と、実体のない魔法系とで区別されているため、それぞれに合った項目を強化していれば問題ない。近接武器系は「筋力」や「技量」、魔法系は「知力」や「信仰」が中心となる。

「エルデンリング」では敵の攻撃力は総じて高く、基本的に1~3回ほどダメージを受けるとやられてしまう。ひとりで複数の敵と戦えば、すぐに死んでしまうので、同時に戦うことは避け、1体ずつ誘い出すか、あるいは狭い通路や橋の上などで迎え撃つなど、なにかしらの戦術は練りたいところ。そのほか、「霊体」、「ガードカウンター」、「致命の一撃」は、戦い方を問わず、本作の戦闘のカギとなる。

霊体は、プレイヤーと一緒に戦ってくれる仲間を指す。FPを消費し、その場に召喚できる。3匹で動く狼、毒液を発射するクラゲなど種類は多い。攻撃の手数が増えるため、それだけ火力も上がり、敵との戦闘が一気に楽になる。とくに狼は強力で、人型でひるみやすいボスをほとんど単独で倒したこともあった。

攻撃面でもありがたいが、回復面でもその存在感は大きい。自分と霊体がいることで相手の狙いが分散される。そのため、プレイヤーの体力やスタミナを回復する余裕が生まれやすい。場所によっては召喚できない場合もあるが、可能なら積極的に活用するといいだろう。

ガードカウンターは、敵の攻撃を盾で防いだ直後にくり出せる反撃技。カウンターなので安全に攻撃できるだけでなく、防御さえできればいいおかげで、誰でも簡単に使いこなせる。相手の攻撃をタイミングよくはじく「パリィ」と比べると手軽で、筆者もプレイ中は何度もお世話になった。

本作には体勢を崩すという要素があり、ガードカウンターはその効果が非常に大きい。雑魚敵なら基本一撃、人型のボスであっても数発で崩すことができる。そのあいだに近づくと、「致命の一撃」で大ダメージを与えられる。

唯一の弱点は、ガードカウンターを狙うとスタミナを大量に使うところ。防御自体がスタミナを消費することもあり、カウンターを連発すると、あっという間に動けなくなってしまう。また、カウンターの発動中にも当たり判定があり、途中で敵の攻撃を受けると技が中断される。スタミナの管理と反撃のタイミングの把握が重要だ。

致命の一撃は「ダークソウル」シリーズではおなじみの技。背後から、パリィが成功した直後、体勢を崩しているあいだなどに敵に近づいて攻撃すると成功する。武器を使った攻撃よりも与えるダメージが大きいうえ、種類にもよるがボスにも効く。

すでに書いたように、パリィはタイミングが難しい。ガードカウンターはスタミナの消耗が大きいので連発はできない。そうなると、背後から狙うのが一番やりやすい。人型の敵と遭遇したら、まず対象をロックオンして背中に回り込むのがオススメ。たいていの敵ならこれだけで背後から致命の一撃をくり出せる。雑魚敵をつぎつぎに倒せるので、探索もだいぶやりやすくなる。

遊びやすさも死にやすさも徹底的に

ここまででフィールド探索やバトルシステムについて書いたが、「エルデンリング」で注目したいのは遊びやすさだ。各地に存在する祝福に、ファストトラベルやレベルアップなどの便利な機能を持たせていること、祝福に触れることで素材をいくらでもすぐに集められ、アイテム製作が簡単であること。霊体を使った共闘や、ガードするだけで確実にくり出せるガードカウンター。便利な要素はいくらでも上げられる。

探索や戦闘のシステムではさまざまな配慮がされていて、プレイ自体は快適だった。プレイヤーのゲーム体験を第一に掲げる、フロム・ソフトウェアらしいていねいな作りだ。完全新作ということもあり、新規層や初心者への配慮という点も「エルデンリング」には込められているのかもしれない。

オンラインモードでは、他人の残したメッセージを確認できる

いっぽうで、難しさと理不尽さの境界線を歩いているかのようなシビアさは健在と言える。雑魚敵は文字通り雑魚だが、ボスはもれなく強い。ただ、最初は無敵とも思えるボスも、何回も死んで覚えるうちに動きのクセや弱点が見えてくる。そして少しずつ形勢が変わっていき、最終的に勝利する。敵は理不尽ではなく、ただ強いだけとわかっているからこそ戦う意味もあるし、勝つために何度でも死ねる。

「ダークソウル」シリーズ、「ブラッドボーン」、「SEKIRO」などを遊んできた筆者だが、本作でも現時点で100回以上死んだかもしれない。「フロムゲー」が好きなゲーマーたちにとっても十分な難易度だと思う。

ダンジョン満載の圧倒的な密度のオープンワールドであり、「死にゲー」として強敵がひしめいているいっぽうで、探索やバトルにまつわるシステムも十分。「エルデンリング」は、遊びやすさと難しさが巧妙に融合している。これから遊ぶ人たちの断末魔が、今から聞こえてくるようだ。

(文・夏無内好)

※PlayStation4パッケージ版を購入された方は、追加費用無くPlayStation5版へのアップグレードが可能。 (パッケージ版を購入された方は、PS5のディスクドライブがないデジタル・エディションにおいてはアップグレード不可となる) また、PlayStation Storeで本作のPS4ダウンロード版を購入すると、PS5版を追加料金なしでダウンロードできる。

※PlayStation Storeで本作のPS5ダウンロード版を購入すると、PS4版を追加料金なしでダウンロードできる。

※Xbox Series X|S/Xbox One版について、「ELDEN RING」は「スマートデリバリー(Smart Delivery)」に対応。ゲームを一度購入すれば、Xbox Series X/Xbox One、いずれのゲーム機でもプレイできる。

©BANDAI NAMCO Entertainment Inc. / ©2021 FromSoftware, Inc.

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