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AirPodsファースト・インプレッション。そこらのワイヤレスイヤホンとは全然違う

悪くなくてびっくり。

Apple(アップル)はうわさ通り、iPhone 7のイヤホンジャックを廃止しました。なのでこれからはLightningポートにイヤホンをつなげてもいいんですが、Appleが未来だと考えているのはワイヤレスです。

そこで、AirPodsの登場です。従来のEarPodsとどう違うのか、以下、米GizmodoのChristina Warren記者がハンズオン(イヤオン)していますので、どうぞ!

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AirPodsは真のワイヤレスイヤホン、誰もが実現できていなかった美しいコンセプトです。これまでいくつもの製品にいろいろな度合いでがっかりしてきましたが、AirPodsを短いながらも試してみて、ゴミではないことに驚きました。

見た目としては、AirPodsは従来のEarPodsからケーブルを切り離しただけのように見えます。正直このデザインはいかにも第1世代的で、Appleらしい洗練が足りない気がします。これからの世代で、ここは改善されていくのでしょう。

AirPodsでは内蔵のW1チップ(と、ソフトウェア)によって、ありがちなBluetoothの面倒なペアリング設定をスキップし、iPhoneとの素早いペアリングを実現しています。キャリングケース(これが充電器も兼ねます)を開ければ、AirPodsがすぐにiPhoneとつながります。

ただし、通信自体はBluetoothです。Appleのデモの人によれば「秘伝のタレ」的なものによってBluetoothでのペアリングが簡単になっているんですが、技術自体は新しいものじゃないそうです。だとすると、Bluetoothの精度とか安定性は向上してきたとはいえまだ完ぺきではなく、ちょっと不安でもあります。

とはいえプレス関係者が何百人といて無数のデバイスが電波を流している環境で、ペアリングはしっかりできていました。iPhoneのそばでキャリングケースを開けるとAirPodsがペアリングを始めて、ほんとに簡単でした。

スマートなのはペアリングだけじゃありません。AirPodsにはそれが耳に入っているかどうか判断するセンサーがあって、iPhoneで音楽再生を始めたつもりでも、AirPodsが耳に入っていないと音楽がスタートしないんです。AirPodsを耳から外せば、再生は停止します。

AirPodsファースト・インプレッション。そこらのワイヤレスイヤホンとは全然違う

AirPodsのサイドをダブルタップすると、Siriが立ち上がります。それで再生開始や停止、ボリュームをコントロールしたり、AirPodの下部にあるマイクを使って何か質問したりできます。

ただ私としては、いつも普通のイヤホンで使っているようなジェスチャー、たとえば曲をスキップしたり一時停止したりといったものをサポートしてたらな、と思います。音声コマンドも良いんですが、物理的な操作でちゃっちゃとフィードバックがほしいことだってあります。それに、公共の場でひとりでコマンドを叫んでいる人になりたくありません。

AirPodsにはノイズキャンセリング機能はないんですが、ざわざわしたハンズオン会場でも大丈夫でした。マイクも同様で、周りのノイズをちゃんとフィルターして音声コマンドだけ拾っていました。

音質面では、音の大きさ・豊かさには驚かざるをえませんでした。Siaの曲を聞いたところ、音がくっきりして高音がとてもしっかりしていました。私が聞いた曲はあまり低音がなかったんですが、とりあえず最初のテストはパスした感じです。

少なくとも従来のEarPodsよりははるかに良い音です…って、それじゃよくわからないかもしれませんが、見た目は似てても中身はだいぶ違うってことです。

でも着け心地という意味では、AirPodsとEarPodsの違いはほとんどありません。友人のダン(ちなみに耳モデル)に言わせると前より快適らしいんですが、私自身は違いがわかりませんでした。EarPodsには合う人と合わない人がいて、私は問題なかったんですが、これまでEarPodと相性が悪かった人の場合はAirPodsも合わないかもしれません。

と言うとちょっとネガティブに聞こえるかもしれませんが、そういうつもりじゃないんです。私は去年いろんなワイヤレスイヤホンを試してたんですが、ほとんどが耳栓みたいに感じられました。つまり全然気持よくなかったんです。だから少なくともEarPodsみたいな着け心地っていうのは、正しい方向だと思います。

それから抜けにくくないかってことなんですが、その点もデモでは問題ありませんでした。なかなか高価なので、これ大事ですね。とはいえ、これ着けて走る気にはなれません。

AirPodsのバッテリーは約5時間とのことで、この種のワイヤレスイヤホンとしてはまずスタンダードでしょう。付属のキャリングケースはバッテリーパックも兼ねていて(これもこの手のものでは普通ですが)、これを使うと24時間まで延ばせます。Appleいわく、AirPodsをケースに15分入れておけば、その後3時間聞けるそうです。

個人的にAirPodsのデザインはそんなに好きじゃないんですが、ペアリングの素早さは良いと思います。価格は160ドル(日本では1万6800円)と、Apple製品のわりに高すぎる感じはしません。音質についてはもうちょっと長く聞かないとわかりませんが、第1印象は悪くなかったです。10月後半の発売後にさらに詳しくお伝えしたいと思います。

Christina Warren - Gizmodo US[原文]

(福田ミホ)

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