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対馬市で漂着プラスチックを燃料チップへ

▶硬質の漂着プラを燃料チップ化

システム始動の様子

e-PEPシステムでは、硬質プラスチックは1cm程度に破砕するだけで、同システムの樹脂ボイラ「イーヴォル」の燃料となる。今回納品した樹脂破砕機「クダック」は、大きな硬質ブイやパレット等一度に処理ができるように特殊設計され、投入、排出は全てコンベア搬送の半自動化ラインとなっている。漂着プラごみは砂や貝殻などの付着物が多く含まれるため、破砕後は震動機を通して不純物を取り除き、プラスチック燃料のみが分別貯留できる仕組みになっている。処理能力は、1時間あたり硬質ブイが入った1㎥フレコン16体を破砕チップ処理が可能、その減容率は1/8となり、処理後の保管スペースにも有効だ。

硬質燃料化システム

振動機を通して燃料チップのみをフレコンに貯留

対馬市で漂着プラスチックを燃料チップへ

燃料チップ

▶対馬市と漂着プラスチック問題対馬市の海岸線の延長は915キロメートルに及び、対馬海流が日本海に流れ込む入り口に位置しているため、海洋プラスチック日本で最も流れ着く地域の一つである。一般社団法人対馬CAPPAの対馬市海岸漂着物のモニタリングによると、昨年度回収された漂着ごみは、約135㎥。その内、流木などの自然物を除く約61㎥がプラスチックとなっており、重量換算にすると約716トンに及ぶ。漂着プラスチックが海に再び流出すれば、マイクロプラスチックとなり近海の生態系に深刻な影響を及ぼす。

対馬市に漂着する海洋プラスチック

対馬市では美しい海を取り戻すため、漁業者などの協力を得ながら回収事業に取り組んできたが、これまでこれらの回収プラごみを効率的に処理する設備がなかった。島外へ輸送処理するのにも多額な費用がかかるため、その有効方法を模索しながら、島内の中継処理場で保管を行ってきたが、今後はe-PEPシステムでその場で処理して島内の貴重なエネルギーとして利用予定。きれいな単一素材は島内でアップリサイクル視野に適材適所の利用を検討予定。

海岸から回収保管された硬質プラごみ

▶SDGs持続可能な漂着プラの有効利用

対馬市は、2020年7月17日、内閣府より持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けた取組を先導的に進めていく自治体「SDGs未来都市」に選定され、漂着プラスチックの有効方法として、運用が容易で島内で完結ができるe-PEPシステムを採用。また、エルコムは当システムを主軸に展開する「クリーンオーシャンプロジェクト」の取り組みにおいて、2021年12月24日ジャパンSDGsアワードを受賞している。▶今後の展望について今後対馬市では、来年度以降の予算でe-PEPシステムのエネルギー化を担う樹脂ボイラ「イーヴォル」の導入を行い、島内の温浴施設等で燃料化した漂着プラスチックの有効利利用を完結させる予定だ。エルコムでは、当事例を通じて、分散型プラスチックのエネルギーと、体験型エコツーリズムによる地域の活性化や付加価値化を行いながら、クリーンオーシャンプロジェクトの普及に尽力していきたい。 ▶エルコムについて『Future for Earth~すべては次世代のために』をビジョンに地球環境や社会のニーズに寄り添い、独自の発想と技術力で新たなソリューション開発を行う創造開発型企業。 【会社概要】会社名:株式会社エルコム所在地:札幌市北区北十条西1丁目10番地1代表取締役:相馬 督設立:1991年4月5日URL:http://www.elcom-jp.com/事業内容:環境機器/産業機械開発・製造・販売 【e-PEPシステムについて】https://www.elcom-jp.com/e-pep/ 
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